本研究では、有機ナノケージ分子の内部空間を利用した金属酸化物粒子のサイズ・構造制御を達成し、未知の超微小金属酸化物を創出することを目的とした。具体的には、親水性内部空間を持つ両親媒性有機ナノケージ分子に着目し、ケージ内部空間における選択的金属酸化物成長反応について検討した。その結果、反応初期課程における中間体の生成を鍵とすることで、様々な金属酸化物粒子がケージ内部空間で選択的に形成することを見出した。以上より、有機ナノケージ分子の内部空間を精密に設計し、その内部空間で選択的に金属酸化物成長反応を進行させることで、未知の金属酸化物粒子を論理的に合成可能であることを見出した。
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