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2020 年度 実績報告書

ドーナツビーム型エアロゾル粒子捕捉法の雲粒発生機構解明への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H02006
研究機関広島大学

研究代表者

石坂 昌司  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (80311520)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード界面・微粒子分析 / レーザー分光
研究実績の概要

飛躍的なコンピューターの性能向上により、地球規模の気候シミュレーションの精度も向上してきた。しかしながら、エアロゾルと雲の相互作用は、今日の気候変動予測における最大の不確定要素となっている。大気中には、自然起源や人為起源の様々なエアロゾルが存在し、気象現象に大きな影響を与えている。エアロゾルは大気中を輸送される間に様々な物理・化学変化を生じるため、その化学組成や形態は極めて複雑である。そのため、微粒子集合系の平均値解析では、エアロゾルが雲の発生や気候に与える影響を正確に評価することは難しい。したがって、個々のエアロゾルを直接観測可能な分析手法の開発が強く望まれる。エアロゾルをフィルターや固体基盤の上に捕集して、その一粒の化学組成や吸湿性などを計測する手法では、固体基盤そのものが核発生の足場を提供する影響が無視できない。一方、微小水滴を空気中に非接触で浮遊させることができる光ピンセット(レーザー捕捉法)は、過飽和や過冷却などの熱力学的準安定な液体が関与する雲の発生や降雨・降雪の物理化学過程を理解するために大変有用な計測手法である。しかしながら、従来の単一集光レーザービーム型の光ピンセットは、「光を吸収する微粒子」や「形状が球形から逸脱した微粒子」を安定に捕捉できないという課題を有していた。これらの問題を克服するために、新規なレーザー捕捉法の開発が必要不可欠である。これまで固体の微結晶は形状の対称性が低く、光の放射圧のバランスを保てないため、気相中においてレーザー捕捉することができなかった。研究代表者は、複数の溶質を段階的に結晶化させることで、固体微結晶を気相中に浮遊させることができることを見出した。光ピンセットを用いて海水由来のエアロゾル(塩化ナトリウムと硝酸ナトリウムの混合物)を気相中に浮遊させたまま雲粒を発生させることに世界で初めて成功した。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Fabrication of Paper-based Microfluidic Devices Using a Laser Beam Scanning Technique2020

    • 著者名/発表者名
      HIEP Dang Huy、TANAKA Yuta、MATSUBARA Hiroki、ISHIZAKA Shoji
    • 雑誌名

      Analytical Sciences

      巻: 36 ページ: 1275~1278

    • DOI

      10.2116/analsci.20P196

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ダブルビーム型レーザー捕捉法を用いた気相中にける水滴の光マニピュレーション2020

    • 著者名/発表者名
      田中悠太、小白由衣、石坂昌司
    • 雑誌名

      分析化学

      巻: 69 ページ: 737-740

    • 査読あり
  • [学会発表] Laser-induced crystallization of amino acids at the chiral ionic liquid/water interface2020

    • 著者名/発表者名
      Luong Quy Dat, Shoji Ishizaka
    • 学会等名
      The 17th Nano Bio Info Chemistry Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 光圧を用いた単一エアロゾル液滴反応場の構築と分析2020

    • 著者名/発表者名
      石坂昌司
    • 学会等名
      第80回分析化学討論会
    • 招待講演
  • [学会発表] 光ピンセットを用いたエアロゾル研究2020

    • 著者名/発表者名
      石坂昌司
    • 学会等名
      日本分析化学会第69年会
    • 招待講演
  • [学会発表] ダブルビームレーザー捕捉法を用いたエアロゾル水滴の蒸気圧に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      田中 悠太,石坂昌司
    • 学会等名
      日本分析化学会第69年会
  • [学会発表] ラマン散乱およびX線回折法による空気中の単一電解質水溶液液滴の構造と性質2020

    • 著者名/発表者名
      山口敏男,中里駿太郎,秦 菜月,松尾俊一郎,吉田亨次,栗崎 敏,石坂昌司,尾原幸治
    • 学会等名
      日本分析化学会第69年会
  • [学会発表] 気相中における単一スス粒子のレーザー捕捉2020

    • 著者名/発表者名
      吉川皓斗,石坂昌司
    • 学会等名
      2020年日本化学会中国四国支部大会
  • [学会発表] 陽イオン界面活性剤-長鎖アルコール混合凝縮膜によるW/Oエマルションの安定化2020

    • 著者名/発表者名
      加藤圭悟,石坂昌司,松原弘樹
    • 学会等名
      2020年日本化学会中国四国支部大会
  • [学会発表] 界面吸着膜の相転移を応用したピッカリングエマルションの解乳化2020

    • 著者名/発表者名
      完田一樹,石坂昌司,松原弘樹
    • 学会等名
      2020年日本化学会中国四国支部大会
  • [学会発表] レーザー捕捉と蛍光相関分光法を用いた過飽和水滴の粘度に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      竹内優稀,石坂昌司,鳥本 司,亀山達矢
    • 学会等名
      2020年光化学討論会
  • [学会発表] 超音波浮揚法を用いた硫酸マグネシウム水溶液液滴のラマン散乱とX線回折2020

    • 著者名/発表者名
      松尾俊一郎,中里駿太郎,秦 菜月,山口敏男,吉田亨次,栗崎 敏,石坂昌司,尾原幸治
    • 学会等名
      日本分析化学会第69年会

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公開日: 2021-12-27  

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