研究課題/領域番号 |
18H02009
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
梅村 知也 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10312901)
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研究分担者 |
安井 隆雄 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00630584)
手嶋 紀雄 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30292501)
中嶋 秀 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10432858)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナノワイヤ / レーザー脱離イオン化 / マトリックスフリー / 超薄層クロマトグラフィー |
研究実績の概要 |
GCやHPLCにおけるカラムのキャピラリー化がオミックス研究を飛躍的に進展させたように、薄層クロマトグラフィー(TLC)においても分離場のミニチュア化、なかでも薄膜厚の低減(薄型化)は希少・微少量の試料での分析が求められるオミックス研究に不可欠といえる。しかし、TLCの薄型化は、従来のサイズであれば無視できた展開溶媒の蒸散や試料スポットサイズの問題が顕在化し、再現性の低下が懸念される。この問題を回避するために、本年度も昨年に引き続き、微小化TLCに特化した水平式のミニチュア展開槽(2.5 cm角のプレート用)の試作と改良を重ねるとともに、試料のスポッティングに関して、負荷量200 nL以下、スポット径2 mm以下を目指して最善の方法を模索した。十ナノリットルオーダーのスポッティングを可能とするテーパー状のキャピラリー管の作製や、ホットプレート上で溶媒を蒸発させながら数回に分けてスポットすることで、スポット径を3 mm程度にすることができた。しかし、酸化亜鉛製のナノワイヤアレイは水系、有機溶媒系を問わず溶媒との濡れ性が非常に高く(接触角が極めて小さい)、広がりやすい傾向があり、2 mm以下は困難であった。今後、ナノワイヤ表面の化学修飾を検討する必要がある。一方、ナノワイヤを分離場とするTLCの実用可能性について、また、ナノワイヤ表面をイオン源として活用するSALDIの有効性について、脂質や低分子薬剤など様々な試料の分析を通して評価し、オミックス研究に資する超薄層ナノワイヤTLC/SALDI-MSの可能性を示すデータを蓄積した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの2年間でナノワイヤアレイの分離機能と光熱変換素子としての機能について原理検証を概ね完了し、現在は本分析法の適用範囲の拡充を図る段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの2年間において、ナノワイヤアレイの分離機能と光熱変換素子としての機能について原理検証を概ね完了した。今後は分析対象をどこまで拡張できるか、また、イメージング分析への応用など適用範囲の拡充を図るために、様々な試料の分析データを収集し、超薄層ナノワイヤTLC/SALDI-MSの特性を評価解析する予定である。
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