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2020 年度 実績報告書

ファインバブル有機合成の確立:日本で生まれた技術によるグリーンものづくりに向けて

研究課題

研究課題/領域番号 18H02012
研究機関静岡大学

研究代表者

間瀬 暢之  静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (40313936)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードグリーンものづくり / グリーンケミストリー / ファインバブル / マイクロバブル / ウルトラファインバブル / 多相系反応 / 装置開発 / フェアリー化合物
研究実績の概要

気体が関与する反応は研究室から工業スケールまで実施される基盤反応様式である。しかし、耐圧反応容器中、高圧で反応する方式は1世紀以上変わっていない。そのため反応装置の初期コスト、さらに導入後の維持管理コストがかかり、クリーンかつシンプルな反応様式であるにも関わらず“ものづくり”における気体が関与する反応の適用範囲は限定されている。本研究では通常の気泡とは異なる新奇な性質をもつマイクロからナノサイズの「ファインバブル(FB)」に着目し、常温・常圧で実施できる安全かつ革新的な次世代型気相-液相合成プロセス、ならびにバブル発生装置の創製を目的とした。平成30~31年度に取り組んだ1.小型化・高機能化によるFB発生装置の進化に続いて、平成30~令和2年度に2.FB手法の単位操作化・連続化・集積化:FBものづくりと3.FB手法の実用化指向定量化:動的に変化するFBの計測に取り組んだ。2について、フェアリー化合物合成における重要中間体のAICAの合成スキームを独自に設計し、新規に噴霧型FB発生装置を導入することによるオキシムの還元反応、さらに、グラジエント法による網羅的機械学習反応条件最適化により、オキシム化反応ならびに環化反応の収率と収量の最適条件を特定した。これらにより、後処理工程を削減したFBものづくりを達成した。3について、スチレンの水素添加をモデル反応として、反応性に対する各種物理データの相関を解析した。その結果、印加圧力と水素濃度、FB濃度の間に正の相関、触媒への基質・生成物の吸着率と水素濃度、FB濃度の間に負の相関が認められた。一方、FBサイズについて、MBサイズと収率間に正の相関、UFBサイズと収率間に負の相関が認められた。以上より、水素濃度あるいはFB濃度が高い場合に、水素添加反応の収率が向上するだけでなく、触媒への吸着を抑制する効果があることが明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] NIPER(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      NIPER
  • [雑誌論文] Fine-Bubble-Slug-Flow Hydrogenation of Multiple Bonds and Phenols2020

    • 著者名/発表者名
      Mase Nobuyuki、Iio Takuya、Nagai Kohei、Kozuka Tomoki、Sammi Akhtar Mst、Sato Kohei、Narumi Tetsuo
    • 雑誌名

      Synlett

      巻: 31 ページ: 1919~1924

    • DOI

      10.1055/s-0040-1705948

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Highly effective volatile organic compound dissolving strategy based on mist atomization for odorant biosensors2020

    • 著者名/発表者名
      Terutsuki Daigo、Mitsuno Hidefumi、Sato Kohei、Sakurai Takeshi、Mase Nobuyuki、Kanzaki Ryohei
    • 雑誌名

      Analytica Chimica Acta

      巻: 1139 ページ: 178~188

    • DOI

      10.1016/j.aca.2020.09.043

    • 査読あり
  • [学会発表] 有機化学者が取り組むケモインフォマティクスによるフロー反応条件最適化2021

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
    • 招待講演
  • [学会発表] グリーンものづくり:植物成長調節剤フェアリー化合物のフロー合成による連続生産2021

    • 著者名/発表者名
      土居瑞希・佐藤浩平・鳴海哲夫・河岸洋和・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] グリーンものづくり:モノリス触媒を用いたフロー有機合成2021

    • 著者名/発表者名
      藤本准子・齋藤祐介・水上友人・佐藤浩平・鳴海哲夫・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] グリーンものづくり:グラジエント法によるフロー反応条件迅速最適化手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      宮下直己・佐藤浩平・鳴海哲夫・武田和宏・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] ファインバブル有機化学:エレメント積層型ミキサーによる気相-液相反応性評価2021

    • 著者名/発表者名
      小坂優太・小山祐未・佐藤浩平・鳴海哲夫・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] ファインバブル有機化学:化学反応性に対する気泡発生機構の効果2021

    • 著者名/発表者名
      小塚智貴・佐藤浩平・鳴海哲夫・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] マイクロ波フロー化学:機械学習による出口温度推算手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      磯部海志・佐藤浩平・鳴海哲夫・武田和宏・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] マイクロ波フロー化学:機械学習による反応条件迅速最適化手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      金 拓哉・佐藤浩平・鳴海哲夫・武田和宏・間瀬暢之
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
  • [学会発表] 静岡大学からのお便り:1年間研究して、ちょっと分かったこと ~機械学習最適化フロー合成~2020

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之
    • 学会等名
      フロー・マイクロ合成研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] デスクトッププラントの開発:フロー型マイクロ波合成装置と機械学習による反応条件最適化2020

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之
    • 学会等名
      第14回日本電磁波エネルギー応用学会研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 難合成反応の連続生産と多相系フロー反応の深化 マイクロ波/ファインバブル/フロー合成の融合2020

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之
    • 学会等名
      新学術領域研究「反応集積化が導く中分子戦略:高次生物機能分子の創製」取りまとめシンポジウム
  • [学会発表] グリーンものづくり:ファインバブルによる化学反応の深化と進化2020

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之
    • 学会等名
      第10回シーズ&ニーズビジネスマッチング研究発表会
  • [図書] マイクロリアクター/フロー合成による反応条件を最適化した導入と目的に応じた実生産への適用 ~事例をふまえた現状と課題 / 不具合を避けるための設備設計~2020

    • 著者名/発表者名
      間瀬暢之、武田和宏、佐藤浩平
    • 総ページ数
      270
    • 出版者
      サイエンス&テクノロジー株式会社
    • ISBN
      9784864282116
  • [備考] MASE Laboratory@Shizuoka University

    • URL

      https://wwp.shizuoka.ac.jp/mase/

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公開日: 2021-12-27  

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