研究課題/領域番号 |
18H02023
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授 (80182690)
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研究分担者 |
太田 佳宏 神奈川大学, 工学部, 助教 (90625617)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | π共役系高分子 / 末端官能基化 / カップリング反応 / 触媒移動重合 |
研究実績の概要 |
本研究ではリビング重合と同様な挙動を示す Grignard モノマーの触媒移動型熊田・玉尾カップリング重合後に官能基耐性が高く、入手容易、または合成・単離できる多種類のボロン酸エステル試薬を加えて、種々の末端官能基を両末端に持つπ共役系高分子を one pot で選択的に合成する手法の開発を目的としている。末端官能基としては高分子も含んでおり、ボロン酸エステル末端の高分子を用いるトリブロック共重合体の合成も検討する。今年度の研究実績は以下のとおりである。 (1)トリブロック共重合体を合成するためボロン酸エステル末端ポリマーの合成を検討した。まずは原子移動ラジカル重合(ATRP)の開始部位を持つボロン酸エステルからメチルメタクリラート(MMA)のATRPを行い、片末端にボロン酸エステル部位をPMMAを合成した。次にπ共役系高分子の末端にボロン酸エステル部位を導入することを2つの方法で検討した。1つは、フルオレンモノマーの鈴木・宮浦触媒移動重縮合(CTCP)を行い、末端封止材として pinB-Ph-BDan を加えた。純度良く、分散の狭い BDan 末端のポリフルオレンが得られたが、BDan 部位を加水分解してボロン酸に変換するときに副反応が起きた。もう1つは、末端封止剤としてフルオレンジボロン酸エステルを加えた結果、純度良く、分散の狭い Bpin 末端のポリフルオレンが得られた。 (2)pinB 末端の PMMA をチオフェンモノマーの熊田・玉尾カップリング重合後に加えた結果、A-B-A型のトリブロック共重合体が得られた。片末端に pinB を持つポリフルオレンとポリフェニレンを同様にチオフェンモノマーの熊田・玉尾カップリング重合後に加えた結果、ポリフルオレンとポリフェニレンの分子量が高いときはジブロック共重合体が、分子量が低いときはトリブロック共重合体が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
片末端ボロン酸エステルポリマーが合成でき、これをチオフェンモノマーの熊田・玉尾カップリング重合系中に加えた結果、目的とするトリブロック共重合体が得られたので、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでチオフェンモノマーの熊田・玉尾カップリング重合後に鈴木・宮浦カップリング反応を行ってきたので、今後はチオフェンモノマー以外のモノマーについて熊田・玉尾カップリング重合を行い、鈴木・宮浦カップリング反応を検討する。
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