複数の環状高分子が分子間でインターロックしたカテナン型高分子は、高分子同士のトポロジーによる拘束が物性へ与える影響を調べるためのモデルポリマーとして非常に興味深い。しかし、このような位相幾何学的構造を持つ高分子を効率良く合成することは極めて困難である。そこで新しい合成戦略として、一旦4分岐星型高分子同士の2分子間相補的末端カップリング反応によりかご型高分子を調製後、分岐点を開裂させる2段階の操作により、目的とする高分子を調製する方法を考案した。本研究ではこの合成戦略におけるカテナン型高分子の前駆体となる4分岐かご型高分子を高効率で合成できる方法を確立することができた。
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