高分子膜最外領域における凝集状態や熱運動性を理解し制御することを目的に、精密重合に基づき種々の高分子を合成、その薄膜を作製し、表面・界面選択的顕微鏡および分光学的手法に基づき評価した。その結果、生体付着抑制能を発現する水界面領域では、その層厚が厚く散漫であるほど、また、分子鎖熱運動性が高いまま維持されているほど、生体不活性が高いことを明らかにした。また、これらは、シリカ微粒子を用いることで、その程度を容易にチューニングすることが可能であり、ひいては、線維芽細胞の接着や伸展挙動を任意に制御できることを明らかにした。
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