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本研究課題では、シークエンス制御が可能なラジカル重合法を活用して、マレイミドポリマーおよびそのオリゴマーの側鎖や末端基に反応性基を任意に導入し、得られた反応性ポリマーの後架橋などを利用してネットワーク形成を行い、従来型の熱硬化性樹脂では実現できなかったポリマー材料設計を行ってきた。本研究計画の最終年度に相当する2021年度は、以下の研究を実施した。マレイミドとベンズオキサジン基を含むモノマーの異なる機構に基づく反応を複数組みあわせたネットワークポリマーの耐熱性が優れていることを既にこれまで確認しているが、機械的性質に改善の余地を残していたため、今年度中に柔軟な架橋成分を組み合わせた反応を設計して、耐熱性、柔軟性、強度および靭性のいずれもバランスのとれた材料設計を試み、高透明耐熱材料および高強度金属接着材料として応用展開するために必要な基礎物性評価を継続して行った。また、側鎖に反応性基を含むマレイミド共重合体の熱硬化性ネットワークポリマーの設計に関しても、できるだけ汎用性モノマーならびにポリマーを利用できる系にさらに展開した。さらに、ラジカル機構により硬化可能なアクリル系熱硬化性樹脂を設計し、エポキシネットワークと組み合わせた新規なラジカル重合/重付加融合型の材料設計を行い、今後の研究展開のための基盤となる基礎的な材料設計ならびに基礎物性に関する研究成果を進めた。今年度後半には、4年間の研究成果を集約し、積極的にこれまでの成果について外部発表を行うと同時に、超耐熱材料および関連する新規ポリマー複合材料創製の新たな糸口となりうる研究指針を提案した。
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