光を照射すると二重結合のまわりで大きな構造変化を起こすことが知られているスチルベンに注目し、二重結合のまわりを炭化水素鎖で縛った「橋かけスチルベン」をモデルとした凝集誘起発光(AIE)色素を設計した。計算から、橋かけ部位が 5 および 6 員環構造の場合(強く縛った場合)には、CI が高いため、化学反応は蛍光発光する経路を通るのに対し、7 員環構造の場合(ゆるやかに縛った場合)には CI が低いため、CI 付近を経由することから分子が失活し、蛍光を放射しないことが予測された。実際にそれぞれの構造の分子を合成し、光物理的性質を検討したところ、7 員環化合物(n=7)のみが、AIE 特性を示した。
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