研究課題
基盤研究(B)
本研究では、発光分子を取り巻くメゾスケールの空間組織制御や電子状態制御に基づき、従来の孤立分散系では実現できない特異な光機能を発現する発光分子システムの構築を進めた。本質的に濃度消光しない熱活性化遅延蛍光(TADF)材料系を基盤として、スピン多重度変化を伴う逆項間交差や励起エネルギー移動などの種々の光物理プロセスの効率化を達成するとともに、刺激応答性TADF発光などの新たな発光機能を開拓した。これらの成果は、真に高効率な有機ELの開発など幅広い応用に寄与することが期待される。
機能有機材料化学
発光分子の凝集系におけるメゾ空間組織制御や電子状態制御により、分子が本来有する特性を最大限発揮させ発光機能の飛躍的な高効率化や新機能の発現に繋がった。有機発光分子に関する基礎科学の学術的な進展に寄与するとともに、有機ELをはじめとする種々の有機エレクトロニクスデバイスの高性能化・高機能化などの応用展開にも資すると期待される。