これまでに,ホウ素と窒素の「多重共鳴効果」により,励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差の縮小と励起状態における構造変化の抑制に成功し,高色純度青色発光と90%を超える蛍光量子効率を示す熱活性型遅延蛍光(TADF)材料の開発に成功している。本研究では,この設計指針の下,無機発光材料に匹敵する超狭帯域青色発光を示す「new-DABNA」,高色純度緑色TADF材料として「OAB-ABP-1」および「CzB2-M/P」の開発に成功した。いずれの材料も20-35%の高い外部量子効率を示すことから,近い将来の実用化が期待できる。
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