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2018 年度 実績報告書

固体発光を示す高柔軟性有機結晶の創生と自在な発光ウェーブガイドの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18H02052
研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

研究代表者

林 正太郎  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 講師 (00532954)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード有機結晶
研究実績の概要

プラスチックまたはエラスティック結晶と呼ばれるbendingを可能にする新素材を「π共役系分子」により構成することで、様々なフレキシビリティーのみならず、光・電子機能を付与させる。これにより、将来的なフレキシブル・ウェアラブルデバイス構築を目指した。また、稠密な結晶構造(高い屈折率)による高性能でフレキシブルなウェーブガイドの作成ができると考え、計測装置の作成とそれを利用した結晶の解析を行った。
ウェーブガイド測定を可能にする装置開発を行った。顕微鏡とYAGレーザー、ファイバープローブを組み合わせ、結晶観察とレーザー導入によって、マイクロ蛍光スペクトルが作成できた。得られた装置を使用することで、ウェーブガイド発光をファイバープローブで検出できた。装置性能とその再現性を調べるために、2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゼンジカルバルデヒドからなる発光生ブロック状結晶を用いて実験を行った。実際、レーザー導入位置から離れた箇所にあるウェーブガイド発光を効果的に検出することができた。得られたスペクトルはウェーブガイド現象による物質内再吸収が起こることも明らかになった。この装置は再現性が取れることがわかった。
これを利用し、フレキシブルな結晶のウェーブガイド特性を検証した。分子末端にフルオロアレーンを有する拡張型π共役系分子の結晶化によって得られた新規結晶を開発した。この結晶はセンチメートルスケールサイズでありながら、高いbending柔軟性を有しており、何回でも曲げ戻しが可能であった。これを基盤上に固定し真っ直ぐの状態と曲げた状態でウェーブガイド現象を調べたところ、結晶がフレキシブルでありながら効率的な光移動を可能にする素材であることが明らかになった。また、結晶を曲げ戻し、再度計測することもできた。したがって、フレキシブルでタフな結晶ウェーブガイドが作成できたと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1年目で、十分に再現性の取れる評価装置(マイクロ蛍光測定システム)を開発することができた。これを利用した計測によって発光性結晶のウェーブガイド特性を検証することができ、再現性も良かったことから、トライアルとして行った2,5-ジメトキシ-1,4-ベンゼンジカルバルデヒドからなる発光生ブロック状結晶を論文掲載することができた。加えて、フレキシブルな有機結晶においてもフレキシブルな特徴を活かしたウェーブガイドを作成・評価することができた。

今後の研究の推進方策

より多くのフレキシブル結晶を作成し、マイクロ蛍光システムを使用した物性評価を行う。結晶のbendingメカニズムについてはスーパーコンピューターを使用した第一原理計算によって明らかにしていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Facile Synthesis of ortho-Phenylene-based Conjugated Polymers through Transformation of Cross-conjugated Poly(2,3-diaryl[2]dendralene)s and their Optical Properties2019

    • 著者名/発表者名
      Toshio Koizumi, Tsuyoshi Kameda, Hironori Saito, Ayumu Sato, Shotaro Hayashi
    • 雑誌名

      Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry

      巻: 57 ページ: 827-832

    • DOI

      10.1002/pola.29333

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Versatile Scaffold for Facile Synthesis of Fluorescent Cyano-substituted Stilbenes2019

    • 著者名/発表者名
      Shotaro Hayashi, Minami Sakamoto, Fumitaka Ishiwari, Takanori Fukushima, Shin-ichi Yamamoto, Toshio Koizumi
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 75 ページ: 1079-1084

    • DOI

      10.1016/j.tet.2019.01.012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2,5-Dimethoxybenzene-1,4-dicarboxaldehyde: An Emissive Organic Crystal and Highly Efficient Fluorescent Waveguide2019

    • 著者名/発表者名
      Shotaro Hayashi, Toshio Koizumi, Natsumi Kamiya
    • 雑誌名

      ChemPlusChem

      巻: 84 ページ: 247-251

    • DOI

      10.1002/cplu.201800597

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Creating Elastic Organic Crystals of π‐Conjugated Molecules with Bending Mechanofluorochromism and Flexible Optical Waveguide2018

    • 著者名/発表者名
      Shotaro Hayashi, Shun-ya Yamamoto, Daisuke Takeuchi, Yutaka Ie, Koji Takagi
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 57 ページ: 17002-17008

    • DOI

      10.1002/anie.201810422

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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