研究課題/領域番号 |
18H02052
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
林 正太郎 高知工科大学, 環境理工学群, 講師 (00532954)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 共役系分子 / フレキシブルクリスタル |
研究実績の概要 |
前年度から更に、様々なπ共役系分子を合成し、新規エラスティック結晶や可塑性変形を可能にする有機結晶を発見できた。特に、アントラセン構造を中心とした様々な分子構造を体系的に合成することで、分子構造と結晶構造を制御し、構造―物性相関性を徐々に明らかにしている。前年度までに、これらの結果は学会での発表報告にとどまっていたが、全ての結果をまとめることで論文成果として報告できた。これまでに、発光性の有機結晶のbendingやstrechingによる変形状態 を中心に実験を行い、ポアソン比や歪み値を調べることができている。更に、結晶の機械特性評価として応力ー歪 曲線(S-S curve)を計測することができれば、柔軟性結晶の弾性領域と可塑性領域を分離することができ、高分子材料のように機械的な特性を評価できると考えている。現在のところ評価を再現よく行えそうな段階までは進んでおり、次にこの結果をまとめる必要がある。また、空間分解蛍光スペクトルを利用することで、変形に基づく発光の変化の詳細についても解析できる様になった。結晶を曲げた際に変形した様々な場所 によってスペクトルが異なることがわかった。さらに、伸ばすことで、スペクトルが変化し、戻すと元のスペクトルに戻る可逆性も観測された。 本課題において要となるウェーブガイドの作成評価において、自作作成したウェーブガイド評価装置を利用して発光性有機結晶の効率を減衰係数(Loss coeffience)から算出し、その結果を論文報告することができた。 また、得られた結晶の中から、結晶中の分子配向性に基づく性質の違いについても明らかにすることができた。これは本課題からは厳密には逸れる計画ではあったが、これをもとに結晶中の分子配向性と機械的な性質の違いについて深く議論するきっかけになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すでに、計画した研究は一通り実施・完了しており、次の成果に向けた新しい課題を展開しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
弾性変形が可能な有機結晶の新規性能について論文での発表を行ったのち、そのウェーブガイド特性と導電性デバイスの作成について発表を行う。また、新しく 発見した弾性変形結晶の基礎的な物性評価だけではなく、正確な機械特性評価を行う必要があり、この点について追加の研究課題とする。特にS-Sカーブを様々な 有機結晶で測定し、その結果を比較することにより、変形現象を数値化し、カテゴリーを分けれる様になると理想的である。これらを今年度中にまとめ、論文投稿することを理想としている。
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