研究課題
熱酸化CVD法によるPDA触媒電極による0.2 A以上の大電流電解、1 L以上の水素製造に関するデータを含む、オーストリア、リンツ大Stadler博士らとの共著論文がAdvanced Materials誌に掲載され、メタルフリー有機電極触媒のエネルギー変換へのポテンシャルを示すことが出来た。電解重合法によるPDA製膜の最適化を進め、熱酸化CVD法によるPDAを大きく凌駕し、高性能貴金属触媒にも匹敵する100 mV未満の水素発生過電圧を達成した。水素結合性官能基を有し、電解酸化によってラジカル重合する種々のモノマーについて導電性高分子の製膜とその触媒活性評価に取組んだ。官能基を有さないポリアニリンがレドックス応答を示す一方で触媒活性を全く示さないのに対して、分子内に多数のアミノ基を有するニュートラルレッド(NR)の重合体は、比較的高いHER、CO2RR活性を示すことが分かり、水素結合性反応場の存在が基質への電子移動反応に重要な役割を果たすのに対して、導電性が高く安定なレドックスを示す高分子では電荷が分子内に安定化され、基質の捕捉と電子移動が起こらないことが分かった。すなわち、分子内電導性と水素結合性のバランスが触媒活性の発現に重要となることが確認された。新たに検討を開始した、無機有機ハイブリッド触媒では、広バンドギャップp型半導体として振る舞うCuSCNのカソード析出において、NRを添加すると、CuSCN/NRハイブリッド薄膜が得られ、これを電解還元することで金属Cu/NRハイブリッド膜にコンバートできることが分かった。このCu/NR膜はCO2共存下での電解において徐々にそのCO2RR触媒活性が向上するユニークな挙動を示し、CuとNRが協奏的に機能する反応場が形成されることが示唆された。今後の新展開に向けた端緒となる研究成果となった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 11件) 備考 (1件)
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 23 ページ: 8393~8402
10.1039/d1cp00179e
Materials
巻: 14 ページ: 1200~1200
10.3390/ma14051200
The Journal of Physical Chemistry C
巻: 125 ページ: 5417~5424
10.1021/acs.jpcc.1c00318
Advanced Materials
巻: 32 ページ: 1902177~1902177
10.1002/adma.201902177
Molecular Crystals and Liquid Crystals
巻: 704 ページ: 1~9
10.1080/15421406.2020.1741794
ECS Transactions
巻: 97 ページ: 457~469
10.1149/09707.0457ecst
ACS Applied Electronic Materials
巻: 2 ページ: 3522~3529
10.1021/acsaelm.0c00556
http://yoshidalab.yz.yamagata-u.ac.jp/