1) 電子供与性のエトキシ基と電子吸引性のクロロ基をそれぞれ導入した二核ルテニウム錯体を合成し、錯体の反応性に及ぼす置換基の効果を研究した。 2) 電極修飾のリンカーとしてリン酸基、カルボキシル基、長鎖アルキル基を導入した新規な二核ルテニウム錯体の合成に成功した。カルボキシル基を導入した錯体が酸化チタン電極で高活性に機能することを見出した。長鎖アルキル基を導入した錯体は、カーボンペーパー上で高活性かつ安定に機能することを見出した。 3) これまで、過酸化水素生成における二核ルテニウム錯体活種の同定が課題であった。本研究では、過酸化水素架橋を有する二核ルテニウム錯体の単離に成功し、種々のキャラクタリゼーションを行った。この錯体は、アセトニトリル中で安定に存在することを見出した。この水溶液をアセトニトリルと混合することにより、二核ルテニウムアコ・ヒドロキソ錯体が再生することを見出した。
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