研究課題
前年度までに、TNBCモデル動物の構築と、ExomiR-Tracker による腫瘍増殖・転移能に対する抑制能の評価を行った。今年度は、年度当初はTNBC 以外の転移がんモデルにおけるExomiR-Tracker を評価することを予定しており、複数種のがん種での検討を想定していたが、コロナ禍における影響を受け、研究時間が制限を受ける中で研究を進める必要があった。このため、肺がんモデル動物の構築に注力し研究を遂行した。ヒト肺がん細胞として A549を選択し、ヌードマウス皮下に移植した担がんマウスモデルを作成した。肺がん細胞で高発現している miR-21 を標的とした ExomiR-Tracker を合成し、まず、培養細胞系でその効果を検証した。共焦点レーザー顕微鏡により、ExomiR-Tracker の細胞内局在を確認したところ、細胞質中への局在が認められた。また、標的miR-21 に対する機能阻害能をルシフェラーゼレポーターアッセイを用いて評価した結果、配列特異的にmiR-21 の機能を阻害出来ることが示された。次に、in vivo での効果を検証した。長波長蛍光剤である Alexa647で標識した ExomiR-Tracker を合成し、尾静脈投与して臓器分布を確認したところ、腫瘍へ選択的に集積することが確認された。現在、その遺伝子発現抑制効果、ならびに造腫瘍形成能について検証を行っているところである。また、研究分担者らと協働し、血液がん細胞に対する ExomiR-Tracker の細胞内局在を評価したところ、遺伝子導入が困難である血液がん細胞株に対しても、本法を用いることによって核酸医薬を送達可能であることが示された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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