私達は、新規2糖アナログが基質構造を有するにも関わらず、シアリダーゼの効果的な阻害剤となることを見出している。これを多糖化すれば、さらに効果的なシアリダーゼ阻害剤となると期待される。そこで、本研究では効率的合成法の確立に取り組んだ。そのポイントは、シアル酸3位の修飾であった。3位選択的なC-H挿入反応は実現できなかったが、酸化的なラジカルカップリングによる酢酸ユニット、もしくはマロン酸ユニットの導入に成功し、3位増炭をわずか4工程で実現した。さらに、本ルートによって、もう1つの問題点であったグリコシル化の効率も改善できる可能性を示唆する結果を得た。
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