研究課題
本研究では、植物の生長・分化などを司る植物ホルモンの活性を解析・制御する新技術として、アミノ酸選択的な反応基を導入した「リアクティブ分子標的薬」を開発する。植物ホルモンは多くの場合、2種類のタンパク質間相互作用(PPI)を誘起することでその活性を示すが、共有結合形成によって一部のPPIのみを選択的に誘導させることで、植物ホルモンの望みの活性のみを引き起こすことを目指す。本手法は、植物種を超えて様々な植物ホルモンの活性制御を実現する新たな化学的戦略として、食糧問題の解決に貢献しうるのみならず、医薬品の重要なターゲットでもあるPPI創薬にも直結する点で、多くの創薬研究のブレークスルーになると期待される。これまでに、植物免疫や生長を司る植物ホルモン、ジャスモン酸の共受容体として、ユビキチンリガーゼのCOI1と転写リプレッサーであるJAZのCOI1-JAZ共受容体を標的に据えて検討を行なってきた。JAZには13種類のサブタイプが存在し、それぞれの下流で転写因子を制御しているが、遺伝的に重複性が高く制御メカニズムには不明な点が多く残されている。本研究では、JAZサブタイプへの変異導入と、これに選択的なリアクティブリガンドを開発し、特定のJAZサブタイプ選択的なPPI誘導が可能なケミカルツールとして機能することを、試験官および植物個体内で確認した。さらに特定のJAZサブタイプ の下流で起こる生理現象について解析を行い、各遺伝子が制御する現象の解明に向けて検討を行った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Journal of Biological Chemistry
巻: 298 ページ: 101504~101504
10.1016/j.jbc.2021.101504
Scientific Reports
巻: 11 ページ: 13612
10.1038/s41598-021-93067-1
http://www.orgchem1.chem.tohoku.ac.jp/orgchem1/Home.html