研究課題
基盤研究(B)
本研究では、植物の生長・分化などを司る植物ホルモンの活性を解析・制御する新技術として、植物ホルモン共受容体サブタイプ選択的な「リアクティブケミカルツール」を開発した。植物ホルモンは多くの場合、2種類のタンパク質間相互作用(PPI)を誘起することでその活性を示すが、共有結合形成によって一部のPPIのみを選択的に誘導させることで、植物ホルモンの望みの活性のみを引き起こすことを目指した。研究期間内にこの目的を達成しうる基礎的な化学戦略を考案し、モデル系にて実証実験を行うことができた。
ケミカルバイオロジー
本手法は、植物の生長や防御、分化など様々な現象に関わる植物ホルモンの活性制御を実現する新たな化学的戦略として、食糧問題の解決などに貢献しうる。また本戦略が対象とするタンパク質間相互作用は、医薬品の重要なターゲットでもあるため、創薬研究のブレークスルーにもなりうると期待される。