研究課題
基盤研究(B)
光合成の鍵酵素である炭酸固定酵素Rubiscoと、Rubiscoへの基質供給の鍵酵素の一つであるグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)をイネにおいて同時増強することで、光合成能力の強化を図ったものの、残念ながら光合成能力に変化は見られなかった。その一方で、GAPDHを単独で増強したイネでは、高CO2濃度での光合成能力を若干ではあるが強化することに成功した。ただし、高CO2濃度での個体生育の改善までには至らなかった。
植物栄養学
本研究の成果は、光合成炭素代謝の改変により光合成能力を強化したという、貴重な研究例となった。また、本研究の成果は、今後のさらなる光合成能力強化に向けた方向性を考えるための重要な情報となるとともに、作製した遺伝子組換えイネは、光合成能力強化のための母材料となる。本研究をさらに発展させることで、イネの物質生産能力の強化、および、食糧供給の増加に向けた、基礎的な技術を得ることができる。