研究課題/領域番号 |
18H02143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 宏誌 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60202008)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 昆虫 / 胚発生 / エクジステロイド / LC-MS/MS / リン酸化エクジステロイド |
研究成果の概要 |
本研究では、カイコ胚発生期でみられる貯蔵型エクジステロイドの量的変動と各生合成酵素を定量的に解析し、カイコで認められる卵休眠の内分泌系による制御メカニズムを明らかにすることを目指した。申請期間中では、①エクジステロイドの貯蔵型であるリン酸化抱合体のLC-MS/MSを用いた定量系を確立し、②エクジステロイドの生合成酵素および代謝酵素の胚発生期の発現変動解析および胚発生期での機能解析を行った。これらから、活性型エクジソンの産生メカニズムには、胚発生期には貯蔵型エクジステロイドからつくられる経路と、コレステロールから生合成される経路の二つの経路が異なるタイミングで作用していることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
分子認識化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で着目したリン酸抱合体エクジステロイドに関する研究は、園部教授らの退官とともに途絶えた経緯がある。リン酸抱合体が胚発生期に重要だと分かっていても、リン酸抱合体を定量的に扱えないのが研究開始当初の状況であった。しかし、LC-MS/MSによるリン酸抱合体の定量系を確立したため、未解決であった胚発生・胚休眠でのリン酸抱合体の役割にアプローチすることが可能になった。また、休眠における20E生合成停止機構に関する研究はほとんど進んでいなかったが、胚発生期に異なる2つの20Eの産生経路が分かったことから、休眠の分子メカニズムを解明する上で世界に一歩リードした成果が得られたと考えている。
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