研究課題
1.VC欠乏による腸管の透過性増大と門脈血エンドトキシン濃度上昇の検討・・・ODSラット(雄)にVC無添加飼料群(欠乏群)とVC100 mg/kg添加飼料群(対照群)を設けて14日間の飼育を行い、in vivoで腸管透過性マーカーのデキストランを用いて腸管透過性試験を行ったが両群で透過性の差を検出するには至らなかった。しかし、門脈血中のエンドトキシン濃度をトキシノメーターで高感度で測定した結果、VC欠乏群では対照群に比べて有意に濃度が上昇していた。この結果は、腸管透過性がVC欠乏により上昇していることを示唆するものであった。2.無菌ODSラットでのVC欠乏による肝臓でのC反応性タンパク質(CRP)発現上昇の証明・・・無菌のODSラットを作製して(日本クレア(株)にて作製)飼育実験を行った結果、腸内細菌非存在下においてもVC欠乏群では対照群に比べて肝臓のCRP発現が上昇することを初めて明らかにした。欠乏群では血中CRP濃度も上昇していた。また、CRP発現を上昇させる炎症性サイトカインであるインターロイキン-1(IL-1)とIL-6のVC欠乏による腸管での発現上昇と血中濃度上昇は腸内細菌非存在下でも存在かと同様に起こることも初めて見出した。3.VC欠乏により血中で上昇するSTAT3活性化サイトカインを網羅的解析・・・VC欠乏群と対照群の14日目の血清を用いて、高感度抗体アレイ解析(R&D systems, Cytokine Antibody Array) で約40種類のサイトカインの濃度を測定した結果、VC欠乏群で上昇するSTAT3活性化サイトカインはインターロイキン-6(IL-6)のみであった。そして、多くの組織でのIL-6 mRNAレベルを測定した結果、腸管でのみVC欠乏によるmRNAレベルの上昇が見られた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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J.Nutr.Biochem.
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