• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 研究成果報告書

発達期タンパク質栄養によるシナプス伝達調節分子脳内発現と高次機能の制御機構

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 18H02158
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

古屋 茂樹  九州大学, 農学研究院, 教授 (00222274)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード発達期 / タンパク質栄養 / 精神疾患 / 統合失調症 / 遺伝子発現 / miRNA / RNA-seq
研究成果の概要

本研究では,母体を介した発達期タンパク質栄養制限が次世代成熟期にもたらす脳機能への影響について、行動と分子発現の両面から検討を行った。行動では、雌性制限群特異的に感覚情報フィルター機能が障害されていた。その変化に伴い大脳皮質ではmiRNAとmRNAが雌性制限群特異的に発現変化していた。生物情報学的解析により、同変化RNAについて行動変化への関与推定される生物学的過程へのエンリッチメントを検出した。さらに受容体等シナプス関連分子の発現とホルモン情報伝達経路の変化も見いだした。以上の結果より、発達期タンパク質栄養制限が成熟期行動障害と付随分子変化を導き、長期的な影響を及ぼすことを明らかにした。

自由記述の分野

分子栄養学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、発達期タンパク質栄養制限(対照の半量)により、成熟期の感覚情報フィルター機能が雌性特異的に損なわれ、遺伝子発現変化も導くことを明らかにした。感覚情報フィルター機能障害は、統合失調症のエンドフェノタイプである。本実験では離乳後両群共に約25%タンパク質を含む同一の餌を給餌しており、さらに全期間通じ摂食量は制限していない。しかし、母体栄養に依存する期間においてのみのタンパク質制限だけでも、子宮内発達不全を誘発し、成熟期の精神疾患発症リスクを高める可能性があることを示している。すなわち巷で言われる「小さく生んで大きく育てる」は精神疾患発症の環境要因となる誤った言説であり注意が必要である。

URL: 

公開日: 2023-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi