研究課題/領域番号 |
18H02172
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 智彦 東北大学, 農学研究科, 助教 (30431464)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 植物ミトコンドリア / 細胞質雄性不稔性イネ / 稔性回復遺伝子 |
研究実績の概要 |
植物ミトコンドリアにコードされる細胞質雄性不稔性(CMS)原因遺伝子によって正常な花粉ができず、自殖による種子が取れなくなる細胞質雄性不稔性イネを材料に用い、CMS原因遺伝子の人為的発現制御を行う目的で、以下の3点、1)ミトコンドリア移行TALEN(mitoTALEN)を用いた真のCMS原因遺伝子の同定。2)花粉形成時期に発現するmitoTALENを用いたCMS原因遺伝子の機能抑制。3)カスタムPPRタンパク質による転写後制御を介したCMS原因遺伝子の機能抑制、について研究を行なった。 1)mitoTALENを用いた真のCMS原因遺伝子の同定:これまでにCMS原因候補遺伝子として報告されているWA型およびRT102型CMSのorf352と、CW型CMSのorf307をノックアウトする目的で、それぞれの遺伝子をターゲットとするmitoTALENを遺伝子導入し、それぞれの遺伝子に変異が導入された系統を得ることができた。 2)花粉形成時期に発現するmitoTALENを用いたCMS原因遺伝子の機能抑制:花粉形成時期にも強発現するプロモーターであるトウモロコシユビキチンプロモーターの下流にBT型CMSイネの原因遺伝子であるorf79をターゲットとするmitoTALENを連結したコンストラクトを作成し、BT型CMSイネへ遺伝子導入を行ない、遺伝子の導入された系統を得ることができた。 3)カスタムPPRタンパク質による転写後制御を介したCMS原因遺伝子の機能抑制:BT型CMSイネのCMS原因遺伝子であるorf79 RNAをターゲットとする人工PPRタンパク質をコードするコンストラクトを作成した。これらについてBT型CMSイネに導入を行なうことで、遺伝子導入個体を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
植物ミトコンドリア遺伝子の発現を人為的に制御する方法を確立して、育種へ適応可能かどうかを明らかにする目的で、3つの柱を作ることで研究を行なっている。現在のところ、すべての課題で予定通りのスピードで研究が進んでいる。今後も、計画通りに進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ、順調に進展してるので、交付申請書の研究実施計画に基づいて、研究を進めていく。
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