コムギやオオムギなどの麦類は、日本で栽培すると収穫期が梅雨と重なるため、降雨により収穫前に種子が発芽してしまう穂発芽という現象がしばしば発生することが知られている。穂発芽が起こると種子の品質が著しく低下してしまうため、我が国の麦類の安定生産上の大きな問題となってきた。この課題の克服には、雨にぬれても発芽しない強い種子休眠性を持つ品種の育成が重要となる。これまでに、MKK3遺伝子が強い種子休眠性に必要なことを明らかにしてきたが、本研究では、野生オオムギの非常に強い休眠性にもMKK3遺伝子が役に立っている可能性があることを明らかにした。この結果は、麦類品種の穂発芽耐性の改良に役立てることができる。
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