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2019 年度 実績報告書

温帯落葉果樹休眠芽における情報伝達機構の解明-ROSの機能とその制御-

研究課題

研究課題/領域番号 18H02193
研究機関筑波大学

研究代表者

菅谷 純子  筑波大学, 生命環境系, 教授 (90302372)

研究分担者 瀬古澤 由彦  筑波大学, 生命環境系, 助教 (90361310)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード果樹 / 休眠 / ROS / 植物ホルモン
研究実績の概要

本年度は、ニホンナシの休眠芽の休眠に対する温度条件の影響について、切り枝を用いた以下の調査を行った。
筑波大学のつくば機能植物イノベーションセンター(T-PIRC)農場の圃場に地植えされているニホンナシ「豊水」の成木3本より、低温蓄積前に花芽が着生した新梢(発育枝)をサンプリングした。その後、低温、変温(低温150時間+室温150時間)、高温(室温)条件下に置き、一定期間置きに一部の枝の萌芽率を確認した。その際、一部の枝の花芽および枝については、サンプリングを行い、鱗片とそれ以外の部位に分けて、-80℃にて保存し、過酸化水素含量の測定および、植物ホルモン含量の測定、遺伝子発現解析に用いた。低温に遭遇した花芽については、鱗片におけるアントシアニン合成が認められたが、高温一定温度条件では認められなかった。
休眠中の花芽に含まれる植物ホルモン含量の変化について調べるため、メタノールにより成分を抽出した後、Sep-Pakにて精製し、Ultra Performance LC(UPLC)-MS/MSにて定量を行った。その結果、ジベレリンはほとんど検出されなかったが、ABA量については、低温処理においてABAの増加が認められるなど変動が認められた。
花芽における遺伝子発現解析を行うため、全RNAの抽出を行い、ABA生合成酵素遺伝子であるNCED遺伝子の発現を解析した結果、休眠期に増加していた。これらのことから、ABAの増加に生合成遺伝子の発現が関連すると考えられた。また、抗酸化活性に関連する酵素活性および過酸化水素含量を測定するため方法について検討した。
今年度の分析では、過酸化水素含量測定法および植物ホルモンの検出感度に課題があるため、次年度に微量分析の感度を上げられるよう予備的実験を行うこととする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、実験の自粛が一部あったため一部の実験については延期された。

今後の研究の推進方策

今後は、サンプリングを行った花芽、および枝の中に含まれる植物ホルモン量、糖分析、ROS関連遺伝子発現を解析する。
特に、花芽の鱗片とそれ以外に分けて分析を行うとともに、枝における遺伝子発現解析を行う。特に、枝については、植物ホルモン関連遺伝子と糖代謝関連遺伝子の発現の変化に注目した分析を行う。

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公開日: 2021-01-27  

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