LEDによる人工光型植物工場が普及しつつあるが、太陽光下における栽培と比較すると生産物の品質に差異があることがある。その原因のひとつとしてLED光が紫外線を含まないことが考えられる。一方、安価で普及可能な紫外線LEDは未だに開発されていない。本研究では紫外線効果を代替する処理として、可視光の変動によるストレスによる効果を調べた。 現在までに、様々な明期暗期の比率で光を照射し、それがレタスのアントシアニン蓄積に与える影響をしらべたが、変動光による明らかな効果は確認できなかった。赤系のリーフレタス’レッドファイヤ’では、アントシアニン蓄積量は紫外線よりも青色光の影響が強く、その効果は照射強度と照射時間の積に比例し、400μmol/ m2・s、4hrでほぼ飽和した。 一方、カブ’あやめ雪’芽生えの実験では、低強度のUV-Aがアントシアニンの生合成を誘導し、高強度のUV-Aはアントシアニンの生合成を阻害した。UV-A単独光では、アントシアニン生合成のピークは0.500mW/cm2であったのに対し、青色光との組み合わせでは、0.750 mW/cm2に移動した。UV-Bを照射すると、極低光強度で下胚軸は高いアントシアニン濃度を示した。UV-B光の強度を0.002から0.010 mW/cm2まで上げると、下胚軸全体のアントシアニンはわずかに増加し、この光強度を超えるとアントシアニンは減少した。 カブ’あやめ雪’においてUV-A(0.5 または1.5 mW/cm2)照射直後に下胚軸に残る活性酸素を蛍光色素DCFH-DAで測定したところ、ブランクコントロール群では、蛍光がみられる、低照度UV-Aに比べ、高照度UV-A光は強い蛍光を示し、高照度により多くの活性酸素が生成することをしたした。
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