研究課題/領域番号 |
18H02207
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高野 俊一郎 九州大学, 農学研究院, 助教 (90725045)
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研究分担者 |
古屋 成人 九州大学, 農学研究院, 教授 (10211533)
津田 みどり 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20294910)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 共生細菌 / 細胞質不和合 / 侵入害虫 |
研究実績の概要 |
キムネクロナガハムシに細胞質不和合を引き起こす新たな細菌について、分類的な地位を明らかにするため、ドラフトゲノム、FISH解析、電顕解析を行った。その結果、この新規細菌を新属新種の"Candidatus Mesenet longicola"として提案した。本細菌は、ゲノムサイズ1.3MbでGC contentは32.1%である。43のマーカー遺伝子を用いた系統解析及び16S rRNA遺伝子配列解析の結果、本細菌はAnaplasmataceae科に属し、最近縁種から少なくとも属レベルの隔たりを持つ単系統を形成することが分かった。電顕解析から、本細菌は楕円から桿状で長さは約1μmであること、FISH解析からハムシ卵母細胞の前方先端に密集することが明らかになった。また、本細菌が引き起こすCIに関与する可能性のある複数の遺伝子を新たに発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代シーケンスにより全ゲノム解析を実施するとともに、FISH解析、電顕解析を行い、これまで不明確であったこの細菌の分類学的な地位を明らかにし、新属新種として提案することができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの影響で実施できなかったベトナムでの野外調査を再開し、野外における本細菌の感染の広がりを明らかにする。採取したサンプルの解析を引き続き行う。
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