研究課題
インドネシア・中カリマンタン州・パランカラヤのサイトにおいては、フラックス観測タワーを用いた生態系スケールのメタンフラックス観測を継続して行っており、気象の年々変動を受けてどのように変動するかについてのデータが蓄積されつつある。地表面でのチャンバー法によるメタンフラックス観測については、現地で使用するレーザーメタン計の生産・納品の遅れのため、サイト内での観測地点の設定とチャンバーの設置にとどまっている。年度末にこの測器が納品されたため、観測データについては未だ蓄積されていない。一方でマレーシア・サラワク州のサイトにおいては同じくフラックス観測タワーを用いた生態系スケールのメタンフラックス観測を3つのタワーで継続して行っている。これらのデータは蓄積されつつある。さらに、地表面からのチャンバー法によるメタンフラックス観測についても順調に進行している。これらの結果をインドネシアのサイトを含めたサイト間比較に用いる。これらのサイトでの土壌採取・分析について現地カウンタ―パートとの許可申請などを進めており、次年度にはこれら土壌試料を用いたメタン生成ポテンシャルの観測を開始する。そのためのオートサンプラー付きガスクロマトグラフの導入や、土壌を恒温で培養するための装置の作成を行った。実験のシステムがおおよそ完成し、次年度の培養実験の準備が整った。
3: やや遅れている
レーザーメタン計の生産・納品の遅れのため、この測器を用いた現地観測が開始予定より遅れたため。
現地でのレーザーメタン計を使用した表面からのメタンフラックス観測を速やかに進める。これにより、これまで難しかった泥炭湿地林林床からのメタン放出の空間的ばらつきの把握と日変化を明らかにする。また、現地の泥炭試料を用いた培養実験によるメタン生成ポテンシャルの測定を進め、多地点間の比較を行う。同時に、培養の際に発生するメタンの炭素安定同位体比の測定と解析を行うことで、メタン生成の基質の違いについても検討する。この基質の違いが各地点間のメタン生成ポテンシャルの違いと関係するかどうかについても検討する。一方これまで継続しているタワーを利用したメタンフラックスの観測を継続することで、長期間の気象条件の変動に対する生態系スケールのメタンフラックスの変動応答について明らかにする。これらの観測を複数のサイトに拡大して進めていく。
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Cogent Geoscience
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