研究課題/領域番号 |
18H02241
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舘野 隆之輔 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (60390712)
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研究分担者 |
福澤 加里部 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10456824)
鵜川 信 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30582738)
磯部 一夫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30621833)
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
柴田 英昭 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70281798)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 森林伐採 / 土壌微生物 / 窒素循環 / 酵素活性 / 窒素無機化 / 硝化 / 林地残材 / 伐採影響 |
研究実績の概要 |
本申請課題では、木質資源の有効活用に向けて、今後普及すると考えられる林地残材・小径木の林地からの持ち出しや生産性向上に向けた先進林業機械を用いた新しい作業システムが、森林生態系の物質循環機能に与える影響を評価することを目的として行っている。本課題では、土壌微生物群集の応答と土壌の生化学的な反応に関わる土壌酵素活性に着目し、森林伐採に対する森林生態系の応答メカニズムを明らかにし、物質循環モデルによる長期的な影響評価を行い、さらに森林資源の活用や生産効率の向上も加味した上で、森林生態系の物質循環機能の観点から新しい施業方法の提案を目指している。具体的には、以下の3つの課題について研究を進めている。 (A) 土壌微生物群集・土壌動物群集・生化学的特性に与える短期的・長期的な影響評価 (B) 実験室培養における炭素・窒素動態と微生物群集・生化学的特性の相互関係の解明 (C) 短期的・長期的影響評価モデルの構築と新しい施業体系の提案 平成30年度は、課題Aに関連して、北海道および九州の4か所のコア研究サイトについて、土壌環境の既存の野外データや培養実験データの整理を行い、今後の野外・室内実験の準備を進めた。また試料の採取方法や運搬・保存方法、抽出方法や測定方法などの方法論の検討を進めた。課題Bに関連して、過去のコア研究サイトで行われた実験データの新たな分析や解析を行い、培養条件の検討を行った。課題Cに関連して、コア研究サイトおよびその周辺域の森林施業に関する過去の資料や最新情報の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた調査地の伐採前の初期条件の測定に関しては、調査地の選定が遅れてしまい実施できていない。また、過去のサンプルの分析・解析やサイト情報の収集を優先したため、分析方法論の検討用の野外実験や定期的な観測項目以外は新たな野外観測をほとんど進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
既にサイトや野外実験の方法などについては、討論を開始しているが、今年度は、遅れている野外操作実験を早急に開始する。伐採操作に先立ち、初期条件の測定を行い、伐採後の測定も進める。
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