研究課題/領域番号 |
18H02247
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
安田 雅俊 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353891)
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研究分担者 |
田村 典子 (林典子) 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20222127)
関 伸一 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50343801)
押田 龍夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50374765)
上田 明良 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353599)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 外来生物防除 / 地域個体群根絶 / 化学的防除 / クリハラリス / 生態系被害 / 生態系回復 |
研究実績の概要 |
東南アジア原産のクリハラリス(タイワンリス)は、自然生態系や農林業への大きな被害をもたらすおそれがあるとして特定外来生物に指定されている。2019年度は、瀬戸内海国立公園の高島(大分県大分市)のクリハラリス防除実施計画に対して環境省から認定を受け、以下の調査を実施した。(1)クリハラリスの防除:夏の観光シーズンを除き、継続的に捕殺ワナによる捕獲を実施した。誘引餌の種類や提示方法を改良した。在来種の錯誤捕獲はほとんど発生せず、在来生態系に与える影響は少なかった。秋に生捕ワナによる集中的な捕獲を実施し、CPUEの低下(2018年度0.79、2019年度0.68)を確認した。年間捕獲数は約500頭(暫定値)であった。高島の個体群根絶にむけて技術的な課題が克服された。(2)生態系の回復過程の調査:2019年5月に、ウズラ卵を入れた擬巣25個を設置して訪れる捕食者を自動撮影カメラで記録したところ、3週間後に捕食されずに残った巣は2個のみであった。卵の捕食者はほぼすべてクリハラリスと推定された。今後も生態系のモニタリングを継続する必要がある。(3)クリハラリスの採餌行動の把握:クリハラリス属2種6個体、リス属2種4個体について、飼育環境下で模擬剤(ダイファシノン0%ペレット)の嗜好実験を行ったところ、クリハラリス属では給餌量のほとんど全てを摂食したが、リス属では摂食量が低い傾向を示した。(4)遺伝的分析:捕獲されたクリハラリスからDNAを抽出し32個体のミトコンドリアDNAコントロール領域の塩基配列を決定することができた。(5)化学的防除:ダイファシノン0.005%製剤ペレットをもちいた野外試験を実施しクリハラリスによる摂食を確認した。在来種による摂食は確認されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年間に約500頭(暫定値)を捕獲により除去することができた。捕獲による個体群特性の変化、生態系被害の実態把握、クリハラリスの採餌行動の特性、地域個体群の遺伝的特性等、化学的防除の手順等を明らかにすることができた。高島のクリハラリス個体群根絶にむけて技術的な課題が克服された。以上より、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした外出自粛や出張制限が実施されていることから、調査地への出張をともなう野外調査が困難となってきている。とくに春の鳥類の繁殖期のデータの欠損がみこまれる。課題実施期間の延長や予算の繰越しが必要となる可能性がある。
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