研究課題/領域番号 |
18H02263
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
田中 祐志 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90207150)
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研究分担者 |
秋葉 龍郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00221713)
石井 晴人 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30251680)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マイクロプラスチックス / 鉛直分布 / 動物プランクトン / 摂餌 / 食物網 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、野外調査は実行できなかった(COVID拡大防止のため)が、本事業で維持培養してきた枝角類動物プランクトンの1種オオミジンコ(Daphnia magna)を用いた室内実験を繰り返すことにより、D. magnaの摂餌速度が、マイクロプラスチックス(MPs)だけが存在する場合は、MPsと餌となる植物プランクトンが共存している場合に比べて数倍小さいこと、また、直径10マイクロメートルのポリスチレン(PS)粒子をD. magnaに飽食させた場合、消化管100マイクロメートルあたり3000個のPS粒子を詰め込み得ることが分かった。さらに、消化管がPS粒子で満たされたサイズ約2mmのD. magnaは、無給餌環境下では少なくとも3時間以内に消化管を空にすることも明らかになり、消化管長3mmの成体D. magnaは、1日に数万個のMPsを消化管に取りこみ、糞として排出し得ると概算された。 実験結果に基づく上記概算値と、植物プランクトンとMPsが共存している場合にD. magnaが両者を区別せずに摂食するという事実から、水圏環境中の微小な(1から数十マイクロメートルの)浮游MPsが餌とともに植物プランクトン食性の動物プランクトンの消化管に取り込まれ、消化吸収されず糞粒として排出されていると推測された。また、消化管に多量のMPsを取り込んだ状態の動物プランクトンを小型魚など上位捕食者が摂食することを考えると、動物プランクトンが上位捕食者にとってMPsの集塵装置として機能していることになる。このことから、微小なMPsはその微小さ故に、視覚に依って捕食を行う動物には摂餌されないけれども、Daphniaのように微小粒子の濾過摂食者の消化管内に凝集されるという経路を通して上位捕食者の消化管に入っていく、という経路が、MPs粒子の濃縮をもたらしていると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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