研究課題/領域番号 |
18H02264
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三田村 啓理 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20534423)
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研究分担者 |
小路 淳 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (10397565)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | バイオロギング / バイオテレメトリー / キジハタ / 摂餌 / 加速度ロガー / 加速度発信機 / 複合生態系 |
研究実績の概要 |
海域のなかでも特に浅海域は地球上の全生態系のなかで最高の生物生産速度をほこり、 多種多様な動物が生息している。その浅海域は、物理・生物的性状が異なる生態系(藻 場、岩場、砂場など)により複雑に構成されており、移動能力の高い動物(特に魚類) は隣接する生態系間を行き交い生活をおくる。しかし昨今の人間活動によりこの複合生 態系が破壊・分断されるようになり、生態系機能の定量評価、再生ならびに保全の技術 開発が喫緊の課題となっている。本研究では、浅海域に生息する高次捕食者であるキジハタの摂餌生態(栄養フロー)を指標 として、複合生態系機能の定量評価をおこなう。 (1) “水中の動物が”“いつ”“どこで”“何を”“どれくらい食べているの か”を“長期にわたり労力をかけず”に観察できる理論・技術を構築する。 (2) 構築した技術をもちいて、浅海域における複合生態系機能を定量評価する。 動物の“行動”は、連続した“動き”で形成され、その“動き”は加速度センサで測定 できる。キジハタが異なる餌を捕食すれば、異なる加速度波形が計測できる。キジハタに“動き”を把握できる加速度センサ付の小型測器(記録計)を装着して水槽で飼育した。その後、飼育下のキジハタに主要な餌(小型の魚、エビ、カ ニなど)を与えた。捕食するときに得られた加速度波形から餌生物に 特有の捕食行動を抽出した。そして餌生物に特有の加速度波形を組み込んだ超音波発信機を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度は、キジハタに加速度センサ付の小型測器(記録計)を装着して水槽で飼育することで、摂餌行動の把握に主に取り組んだ。
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今後の研究の推進方策 |
餌生物に特有の加速度波形を組み込んだ超音波発信機の評価をおこなうとともに、野外でキジハタの摂餌行動をモニタリングする。また、今後の研究の展開について、連携研究者らと広く議論する。
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