研究課題/領域番号 |
18H02275
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井尻 成保 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (90425421)
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研究分担者 |
足立 伸次 北海道大学, 水産科学研究院, 特任教授 (40231930)
柴田 安司 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (80446260)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 卵成熟誘起ホルモン / DHP / MIH / ティラピア / ウナギ / チョウザメ |
研究成果の概要 |
本研究は、卵成熟を誘起する卵成熟誘起ホルモン(MIH;DHP)の産生制御機構を条鰭類の進化全体を通して明らかにしようとするものである。DHP産生はその前駆体ステロイド17OHPをDHPに転換する20β-HSD酵素の発現によって制御される。本研究まで、20β-HSDはカルボニル還元化酵素であるとされていたがそれは間違いであり、Hsd17b12Lが20β-HSDをコードする遺伝子であることを古代魚チョウザメ以降の条鰭類全体においての普遍性を証明した。DHP産生は、サケ科やメダカではHsd17b12L発現が鍵を握っており、ウナギやチョウザメでは17OHP産生が鍵であり、その制御様式は多様であった。
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自由記述の分野 |
魚類生殖生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
絶滅が危惧される魚種では人が増殖を助ける必要がある。その際、受精可能な卵を得るには卵成熟をホルモン操作によって人為誘導する必要がある。卵成熟を誘起するDHPが適切な時期に卵巣で作られれば卵成熟する。飼育下の繁殖困難魚ではDHPが作られず産卵に至らない。ところが、DHP産生の分子機構は古くから間違った理解が広がっていた。本研究は、従来の説を完全に否定し、条鰭類を網羅した証拠を示して正しいDHP産生制御機構を初めて明らかにしたものである。本研究で扱う、ウナギやチョウザメなどで、人為卵成熟技術を正しく評価、発展させる分子的評価基盤を世界で初めて示すことができたものである。
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