研究課題/領域番号 |
18H02276
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10232109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 季節繁殖 / 性中枢 / 血管嚢 / 光受容体 / 温度受容体 / mRNA-seq / シングルセル解析 |
研究成果の概要 |
短日繁殖魚であるアユ,サクラマスを対象に重点的に研究を進めた.mRNA-seqを行い,血管嚢,松果体,網膜,脳,下垂体などで発現する遺伝子のカタログ化と,季節繁殖制御遺伝子群,光受容体遺伝子群,温度受容体遺伝子群などの網羅的同定を行なった.また,那珂川で7月-10月に採取された天然アユの血管嚢,脳,下垂体などからtotal RNAを抽出し,Lasy-SeqによるmRNA-seqを行い,全遺伝子のmRNA量の変化を明らかにした.サクラマスの血管嚢王冠細胞のシングルセルmRNA-seqを行い,個々細胞の遺伝子発現プロファイルを明らかにした.脳の透明化も試みた.
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自由記述の分野 |
魚類生理学,時間生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1685年に解剖学的に記載された脳の底部に位置する血管嚢の機能は300年以上にわたって不明であった.この血管嚢が「季節センサー」として機能することは2013年に判明したが,脳内の「性中枢」にどのようにして季節情報が伝達されているのかは不明であった.本研究においては,魚類の生殖制御に関わる「季節センサー」と「性中枢」のネットワークを,古典的な解剖学・生理学・内分泌学的手法と次世代シーケンサーを活用した機能的ゲノミクス解析により包括的に解明し,魚類の季節繁殖を制御する脳内分子機構を解明することを試みた.基礎科学的側面のみならず,水産増養殖の高度化にも直結する研究成果が得られた.
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