研究課題
キタノメダカ (Oryzias sakaizumii)のgsdf欠損XY変異体(Δgsdf)および、キタノメダカHNI系統のY染色体をミナミメダカ(O. latipes) Hd-rR系統に導入したYHNI・Hdr-R コンジェニックΔgsdfメダカの雌雄性について検討したところ、ミナミメダカの場合とは異なり、成熟雄個体が高頻度に見られたことから、キタノメダカのDmyの精巣分化誘導能力は、ミナミメダカよりも高いことが示唆された。ミナミメダカおよび、キタノメダカにおいてΔDmrt1のXY個体ではXX個体と同様に卵巣分化を示すが、メチルテストステロン(MT)処理ではXX個体は masculinization を起こさない。これまで、ミナミメダカXY個体では、gsdf非依存性の精巣分化経路が存在することが示唆されていたが、XX 個体における人為的masculinizationにおいては両メダカともにgsdfの発現誘導が重要であると考えられてきた。しかし、Δgsdf XXミナミメダカでは、MT処理によって高頻度にmasculinizationが誘導できることから、MTによるXX 個体のmasculinization誘導過程では、gsdf非依存性の誘導経路が存在することが初めて明らかとなった。このmasculinization誘導過程において特異的に発現変動する遺伝子を包括的RNAseq解析により50程度に絞り込んでおり、現在、機能遺伝子を検証している。水産重要種であるハタ科魚類のクエ(Epinephelus bruneus)において、幼魚(1~2齢)へのアンドロゲン投与により、従来よりも低年齢で未熟な卵巣を成熟精巣へと性転換させることができた。この技術により作出した小型オスから得られた精子は受精能を有すること、及び、飼育水温23℃が最も排精率を向上させることが明らかとなった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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