研究課題/領域番号 |
18H02283
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00214445)
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研究分担者 |
納口 るり子 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00323246)
耕野 拓一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20281876)
近藤 巧 北海道大学, 農学研究院, 教授 (40178413)
福田 晋 九州大学, 農学研究院, 教授 (40183925)
志賀 永一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50235511)
仙北谷 康 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50243382)
河野 洋一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (80708404)
宮崎 さと子 (窪田さと子) 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90571117)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 農業R&D / 普及 / 協同農業普及事業 / 比較制度分析 / 品種改良 / 経済的評価手法 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本の農業の試験研究・技術開発(農業R&Dと呼ぶ)と普及制度の現段階の評価のための調査分析を行った。貿易の自由化が進行している日本の農業R&Dの現状を北海道庁、熊本県庁、及び沖縄県において実地調査を行い、情報収集、整理を行った。また、農業R&Dと普及の経済的評価手法に関する文献整理と分析データの収集作業を進めた。さらに、輸入が8割を占めるそばのフードシステムにおける農業R&Dの課題を明らかにするために、北海道新得町と大樹町のそば生産の現状、品種改良と栽培技術の改善に関する調査、及びそばの団体や流通業者の調査を実施し課題を整理した。比較制度分析のための海外調査では、需要主導型農業R&Dと普及体制を整えている典型的な国の一つであるデンマークにおいて、デンマークの農業R&Dの中心組織で、農業団体の管理下にあるSEGES、同様に地域の普及組織のSAGRO、農業者団体から独立した先端的な農業R&Dを行うアグロテック、農業R&Dを担うオーフス大学、品種改良を行っている民間の種子販売会社、SEGESを管理するデンマーク農業食料理事会において実地調査を行い、環境問題と輸出競争力に力点を置いた農民主体の農業R&Dと普及システムの深化を分析整理した。また、デンマークの農業と農業R&Dと普及に関する歴史的な経過を文献等によりを整理し、現在のデンマークの農業R&Dと普及の体制が構築された歴史的背景を整理検討した。なお、2018年度に行う予定であったアメリカ・ウィスコンシン大学の実地調査は、調査を受け入れるウィスコンシン大学の事情により2019年度に行った。具体的には、大学の農業R&D、普及の体制、大学の試験場、大学と農業生産者との関係などについて実地調査を行い、アメリカの協同農業普及事業において州立大学が中心的な役割を担っている実態と最近の体制の変革方向、課題等について整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度中に行う予定であった米国ウィスコンシン大学における実地調査が、受け入れ側の都合によって平成31年度にずれ込んだため、調査と取りまとめがやや遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、日本の農業R&Dと普及の制度を海外の制度と比較分析することによって、日本の今後の制度改革の方向性を明らかにすることから、引き続き、公共団体、農業団体、大学、民間の農業R&Dと普及の取組み、農家の農業R&Dと普及へのニーズの調査と情報取集を実施し、ヨーロッパの果実野菜の一大供給産地であるスペインの農業R&Dと普及に関する実地調査を行い、これまでの海外実地調査と共に整理、比較分析を行う。また必要な補足調査を実施する。特に農業R&Dの中心となっている品種改良について調査整理し、制度比較を行う。具体的な作物としてはバレイショを取り上げる。さらに、日本の農業R&Dと普及の経済性を評価するための分析モデルを構築し分析を進める。
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