研究課題
海外での調査の主な成果は、中国での調査結果を中心に2022年に開催されたアジア農業経済学会などの学会、学術誌で発表している。中国におけるECによる食品購入については、2つのweb調査から収集された1次データを使用して、中国の消費者がインターネットを介して食品を購入する決定要因を調査した。第一に、消費アンケート回答者の人口学的特徴が食品のオンライン購入に関連していることが示された。性別、年齢、居住地、海外経験などである。女性、40歳以上、北京と上海の居住者、海外旅行経験、日本での訪問または滞在経験、子供との生活などの特性は、インターネットを介した食品購入の経験と正の関連があいる。家計支出は、日本の離乳食やカレーの購入経験と負の相関がある。これらの結果は、EC市場では少数派と見なされてきた比較的高齢で低所得層の消費者の市場の可能性を示している。子育中の消費者などは、日本食品の価格が国内産食品よりもはるかに高い場合でも、安全な輸入製品を強く需要する可能性があることを示す。しかし、中国の消費者は日本の食品を「地位(または富の象徴 )」と見なされやすく、「価格」よりも「希少性」を優先して、馴染みの薄い日本食品を選好するする傾向も示された。こうした消費者は日本食品を、顕示的な消費のために購入する傾向があり、安全性や品質を評価するためのものではないため、繰り返し購入することは難しいかもしれない。こうした中国の消費者の食品購買行動の決定要因と日本食品に対する意識に関する検討は、中国の電子商取引市場における日本食品の購入を増やすための戦略に客観的な情報を提供するものである。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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