研究課題
開花誘導:光照射がクロシン生合成関連遺伝子CCD2の発現に影響を与える因子であると仮定して調査を進めた。柱頭採取時期を早め、かつ光照射区の明期時間を長くして暗黒区と発現量を解析した。2試験区間のCCD2発現量やクロシン濃度と柱頭乾物重の積であるクロシン収量に有意差が認められなかった。クロシン生合成に関わる他の10種類の遺伝子についても発現量に有意差が認められなかった。現状の設備で実現できる光強度よりも大きい光強度を設定しないと遺伝子発現の差異を検出することが難しいことが分かった。子球育成:低温区と昇温区の2試験区における子球育成実験を行った。肥大速度測定の指標に子球重量を採用した。定期的に子球を収穫して子球重量を経時計測した。昇温区については子球重量の増大速度が最大となる時点で気温を上昇させ、子球育成期間で2回の昇温を実施した。子球育成期間内に一定間隔で球茎を収穫し、トランスクリプトーム解析を行った。スクロース分解関連遺伝子、デンプン合成関連遺伝子、単糖リン酸化酵素遺伝子、クロロフィルタンパク質複合体合成関連遺伝子の発現を重点的に解析した。同じサンプルからスクロース、グルコース及びフルクトースの各濃度をHPLCで測定した。昇温区は低温区よりも20日間栽培期間を短縮し、かつ20 g以上の子球を収穫することができた。トランスクリプトーム解析からシンク強度の低下に続いて葉の老化が生じていることが示唆され、短期間に十分な子球肥大を実現するためには非破壊計測によって子球内糖濃度を経時計測する必要性が明確になった。開花誘導期の球茎内成分濃度計測:球茎重量、子球内のスクロース、グルコース、フルクトースの各濃度及び含水率を経時測定するため近赤外分光法による非破壊計測法を開発した。球茎重量と含水率は柱頭内クロシン収量と高い相関を示したが3糖の濃度に高い相関は示されなかった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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