研究課題/領域番号 |
18H02314
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒木 茂 京都大学, 地球環境学堂, 研究員 (00158734)
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研究分担者 |
渡邉 哲弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60456902)
真常 仁志 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70359826)
岡本 侑樹 京都大学, 地球環境学堂, 特定助教 (00635500)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 潜在可耕地 / サブサハラ・アフリカ / システム・ダイナミクス / 資源保護 / 農業開発 |
研究実績の概要 |
今後30年間のサブサハラ・アフリカ諸国における急激な人口増加に対応した食料の増産を、資源の持続性が保障される範囲内で行うための基本的枠組みとして、「潜在可耕地」の概念を明確化し、自然環境、農業開発の進展が異なる、カメルーン、マラウイ、ザンビア、モザンビークの現地調査分析にもとづき、システム・ダイナミクスの手法をもちいて、森林資源保護と、農業開発を融合させたモデルを提出する。アフリカ熱帯雨林の保全は、地球温暖化の抑制と、生態系サービスの向上手段として国際的関心を集めている一方で、サバンナ草原、疎開林は生態系サービスの提供者として重要であるにもかかわらず、農業開発が優先され、地域によっては大規模農業開発の対象となっている。このような「開発と保全」に関して、国内におけるセクター間の調整が必要であるばかりでなく、生態環境の異なるアフリカ諸国間で、土壌、自然資源の長期的利用の観点に立った「潜在可耕地」の概念を共有する必要に迫られている。 初年度においては、マラウイ北部州ムシンバ県において調査地を設定し、ドローン空撮による植生、微地形調査と、現存量評価を行なった。同地域において土壌調査、農業形態の調査にもとづく土地利用区分を行なった。モザンビークナンプラ州において、GPSによる地形分布、植生、土地利用現況調査、土壌調査をおこなったほか、森林資源調査資料、国センサスデータを入手した。システム・ダイナミクスツールである、STELLA iThink Ver.10を購入し、モデルを構成する基本要素の検討とシミュレーションを行なった。以上の資料を総合して、今後必要とされるデータを検討し、また次年度に計画されている、カメルーン、ザンビアにおける調査の基礎資料とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費受託の後、予算案に対応した調査対象地域の縮小変更を行ない、4国(カメルーン、マラウイ、モザンビーク、ザンビア)、4調査地域に人員配置を集中することができたため、今後2年間の研究計画がほぼ確定された。調査国の政治、経済状態は安定しているために、大規模な自然災害がおこらない限り、研究計画の遂行は可能と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に、ザンビア、カメルーンにおける基礎資料を収集したのち、4国、4調査地を比較する共通した指標の抽出、スケールの選択をおこない、システム・ダイナミクスを用いたシミュレーションをおこなう。その結果を考慮して、最終年度3年目にはギャップフィリングデータの収集、モデルの改良を行なう計画である。
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