研究課題/領域番号 |
18H02316
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
阿部 進 近畿大学, 附属農場, 講師 (40708898)
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研究分担者 |
若狭 幸 秋田大学, 国際資源学研究科, 特任助教 (40442496)
前島 勇治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 上級研究員 (80391209)
中尾 淳 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80624064)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 土壌生成速度 / 岩石風化 / マスバランス / 宇宙線生成核種 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、土壌生成速度(SPR)の有力な測定手法である地球化学的マスバランス(GMB)法と原位置宇宙線生成核種(TCN)法によるSPRの測定を環境条件の異なる複数のサイトで実施し、得られた結果を比較・検討することで、SPR測定法を確立することを目指している。 開始二年目となる今年度は、初年度に調査した米国(アリゾナ、フロリダ)、中国(安徽)、インドネシア(西スマトラ)、日本(奈良)に加え、マレーシア(マレー半島)、日本(鹿児島、沖縄、青森)で土壌調査を実施した。調査地の状況と研究上の必要性に応じて岩石、土壌、植物、雨水、渓流水などを採取し、実験室で一般理化学性、鉱物組成、元素組成などについて分析を行った。一部基礎データに関する学会発表が表彰(日本ペドロジー学会ポスター賞)を受けるなど、一定の外部評価も得られた。 GMB法については、日本や米国サイトにおけるSPRの解析に進捗があり、一部成果を学術論文として発表するなど、順調に研究が進んでいる。他方、TCN法については加速器で計測するための試料の前処理方法が確立できていないなど、進捗にやや遅れが生じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外・国内調査が順調に進み、研究成果の一部をとりまとめた学会発表が表彰(日本ペドロジー学会ポスター賞)を受けるなど、ベース部分はしっかりとした進捗がある。また、マスバランス法については国内データおよび海外データの取得・解析が進み、順調に進んでいる。他方、宇宙線生成核種の測定については、試料の前処理方法の確立で苦戦しておりやや遅れているが、全体評価としては概ね順調という自己評価をした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、海外および国内調査地での調査、および、これまでに採取した試料の基本性質に関する分析を進めるていく。GMB法については、昨年度にとりまとめた国内のデータに加えて、米国など海外のデータ解析を進めていく。一部地域間においてGMB法で得られたSPRの比較が可能となってきており、引き続き解析を進めていく予定である。他方、TCN法については、この研究で世界をリードするパデユー大学と連携しながら、前年度に得られた試料の前処理方法について引き続き検討を重ねていく。順調にいけば今年度中にも日本国内の共同利用施設(東京大学を予定)を利用してTCNを測定する予定でいる。この他、先行するGMB法によるSPRデータや昨年度に学会発表した研究成果を論文として発表できるよう準備を進めていく。
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