温室効果ガス連続測定装置を用いて茨城県つくば市の黒ボク土ライシメーター圃場において3年間の測定を行った結果、硝化抑制剤施用により施肥後のN2O発生が有意に抑えられており、また年間N2O発生量は硝化抑制剤区のほうが尿素区よりも有意に低かった。一方でキャベツ収量は有意差がみられなかった。このため、面積あたりN2O発生量および収量あたりN2O発生量は硝化抑制剤区のほうが尿素区よりも低かった。また土壌中無機態窒素の解析の結果、硝化抑制剤により硝化が抑えられていた。以上の結果から、硝化抑制剤は肥料由来N2O発生量を削減するとともに収量を維持しながら追肥の労力を削減できることが明らかになった。
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