成果の詳細は2021年に英国科学誌Scientific Reportsで発表した。背景は、分娩後泌乳牛や加齢後雌和牛では、性機能促進役である下垂体前葉ゴナドトロフ細胞の機能が未解明の機構のために抑制され、様々な繁殖障害が生じることである。本研究により、暗黒大陸として扱われてきた脳における重要な病理メカニズムが解明された。エタノールアミン・プラズマローゲンの質が、泌乳ストレスや加齢で悪化することが原因であった。これらの成功に至った理由は、申請者がゴナドトロフ細胞で新規受容体GPR61を発見していたことである。また最新の分析手法である2次元LCMSを効果的に導入できたことも重要な理由である。
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