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2020 年度 実績報告書

宿主因子との相互作用解析から紐解く狂犬病ウイルス感染メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18H02333
研究機関北海道大学

研究代表者

佐々木 道仁  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 講師 (70609403)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード狂犬病ウイルス / 自然免疫 / 病原性 / アストロサイト / 組換えウイルス
研究実績の概要

本年度は、狂犬病ウイルス感染における自然免疫の役割を解析すべく、マウスを用いた狂犬病ウイルス感染時の免疫応答を解析した。正常の免疫応答を示すマウスとインターフェロン受容体欠損マウス(AG129マウス)に弱毒の狂犬病ウイルスHEP株を接種すると、AG129マウスのみで致死的神経症状が確認された。過去の報告により、HEP株は脳内においてインターフェロンの主要産生細胞と考えられる星状膠細胞(アストロサイト)への感染効率が高いこと判明している。そこで、ウイルスに感染したアストロサイトからのインターフェロン産生とそれに続く抗ウイルス反応が、弱毒狂犬病ウイルス株感染からの回復に重要な役割を担うという仮説の検証を進めている。アストロサイトへの感染効率に影響するGタンパク質の333番目のアミノ酸をグルタミン(Q)からアルギニン酸(R)に置換したHEP/Q333R株をリバースジェネティクス法により作出し、野生型HEP株とHEP/Q333R株の比較解析を実施した。神経細胞由来のNA細胞において両株は同等の増殖性を示した一方、アストロサイト由来のSVG-A細胞においては、HEP/Q333R株が野生型HEP株に比べて低い増殖性を示した。続いて、野生型HEP株とHEP/Q333R株を感染させたマウスの脳からアストロサイトを分離し、ウイルスゲノム及びインターフェロン遺伝子発現をqRT-PCRにより定量した。その結果、野生型HEP株はHEP/Q333R株に比べてアストロサイトへの感染効率およびインターフェロン産生レベルが高いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度から継続予定であった宿主因子YB-1と狂犬病ウイルスの相互作用解析は、新型コロナウイルス感染症対策として、大学の研究が制限された影響を受け、予定していた進捗が得られなかった。令和3年度に論文化を目指し、実験を再開する。

今後の研究の推進方策

令和3年度は計画の最終年度であることから、これまでに得られた狂犬病ウイルスと宿主因子の相互作用、狂犬病ウイルス感染時の自然免疫応答に関する研究成果を学会で発表し、論文として公表する。

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公開日: 2021-12-27  

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