研究課題/領域番号 |
18H02337
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 名誉教授 (80159582)
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研究分担者 |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ピロプラズマ病 / 新規治療 / コンビネーション療法 |
研究実績の概要 |
(1)牛赤血球置換SCID(SCID-Bo)マウスによるコンビネーション療法による治療効果の評価 1)Diminazene aceturate (DMA) 、Clofazimine (CFZ)、 Pyronaridine tetraphosphate (PYR)を用いて、培養B. bovisに対する増殖抑制効果を検討した結果、DMAとCFZを1:2の割合での組み合わせが高い効果を示した。 2)97%以上の牛赤血球に置換されたSCID-Boマウスに、B. bovisを1x107個腹腔内接種し、赤血球寄生率が1% に達した時点で、ら、DMA、CFZ、PYRおよびDMAとCFZのコンビネーションで1回投与し、その後の赤血球寄生率を検討した。その結果、DMAとCFZのコンビネーション治療群で感染後7日で原虫が認められなくなり非治療群に比較して高い治療効果を示した。また、コンビネーション治療群で体重の減少も軽減されていた。
(2)犬を用いたコンビネーション療法による治療効果の評価 1) MMV396693 とImidocarb dipropionateおよびPyronaridine tetraphosphateの組み合わせを用いて培養B. gibsoniに対する増殖抑制効果を検討した結果、MMV396693 とImidocarb dipropionateを1:1の割合での組み合わせが高い効果を示した。2)脾臓を摘出したビーグル犬にB. gibsoniを感染させ、赤血球寄生率が1%に達した時点で、MMV396693 とPyronaridine tetraphosphateを、翌日にImidocarb dipropionateを投与した。その結果、非治療群に比較して80%の高い治療効果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
犬の培養原虫で得られた結果を基に、犬の感染治療実験を行い、増殖抑制効果が得られた。また、SCID-Boto 牛のバベシア原虫を用いた実験でも、ジミナゼンとクロファジミンの併用効果が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はSCID-Boを用いて牛バベシア原虫に対する投与量、期間を再検討し、コンビネーション治療効果を確認する。 また、これらの結果を基に、モンゴルにおいて、馬および牛を用いて感染・治療実験を行う。
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