研究課題/領域番号 |
18H02342
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 誠 岐阜大学, 大学本部, 副学長 (80196774)
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研究分担者 |
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20334922)
河本 聡志 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (60367711)
西山 祥子 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (90817058)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ロタウイルス / ワクチン / 遺伝子操作系 |
研究実績の概要 |
2018年度は、鳥由来ロタウイルス株としては世界で初となるPO-13株の遺伝子操作系を樹立することに成功した。一方で、本系にはウイルス回収効率が低いという課題が存在した。2019年度は、遺伝子操作系により作出されたPO-13株(rP0-13株)と親株(wtPO-13株)の生物性状を比較しながら、本系の回収効率の改善を試みた。 MA104細胞における増殖曲線の検討により、rP0-13株がwtPO-13株と同等の増殖性を有することが確認された。また、両株による細胞変性効果は、形態的に非常に類似していた。遺伝子解析の結果、rP0-13株のVP4遺伝子の部分的塩基配列は、wtPO-13株のものと完全に一致した。以上より、rP0-13株がwtPO-13株と極めて類似した生物性状を有することが強く示唆された。 rP0-13株の回収効率を改善するため、使用する細胞や培地等について詳細な条件検討を実施した。条件を変更しながら、合計15回のウイルス回収を実施したものの、rP0-13株の回収に成功したのは、わずか3回にとどまった。すなわち、rP0-13株の回収効率は、現在も改善していない。今後、継続的な条件検討が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
rP0-13株の生物性状の解析が進んだ一方、その回収効率の改善については現在も達成できていない。年度末に予定されていた共同研究者との討議・技術連携が新型コロナウイルスの流行により滞ったことも本研究の進捗に影響した。
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今後の研究の推進方策 |
すでに様々な研究に活用されている哺乳類由来ロタウイルスSA11株の遺伝子操作系を陽性対照に用いながら、引き続き、rP0-13株の回収効率の改善を試みる。効率の改善が達成された後に、当初の研究計画に従い、ワクチン株の作出を実施する。具体的には、増殖性の低い人由来ロタウイルスWa株のVP7遺伝子全長または一部を保有するキメラ型rP0-13株の作出を行う予定である。
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