研究課題/領域番号 |
18H02348
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
池田 正浩 宮崎大学, 農学部, 教授 (60281218)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬理学 / 小胞体ストレス / Fanconi症候群 / 腎虚血再灌流障害 |
研究実績の概要 |
目的達成のために計画している研究項目は、(1)モデル動物を用いた検証、(2)分子経路の同定、(3)実証研究の3つである。最終的にはこれらの結果を総合的に考察して、小胞体ストレス性Fanconi症候群の疾患概念の確立とそれに基づく治療・診断シーズの提案、および腎における物質代謝学分野の理解を進展させる。 2018年度には、(1)モデル動物を用いた検証として、腎虚血再灌流モデルを用いた検証実験を行った。その結果、腎虚血再灌流モデルの腎にERストレスが生じていることを確認した。そして、このモデルが汎アミノ酸尿症や糖尿を伴ってFanconi症候群様の症状を呈することも確認した。次に、ERストレス誘導薬であるツニカマイシン投与(薬理学的ERストレス誘導)によって変化することをすでに確認している6種類のトランスポーターmRNAの発現を腎虚血再灌流モデルについて調べた。その結果、5種類のトランスポーターmRNAの発現量が有意に減少することを見出した。最後に先天性Fanconi症候群の原因遺伝子についても調べた。その結果、先天性Fanconi症候群の原因遺伝子として知られる12種類のうち、8種類のmRNA発現量が有意に減少すること、そしてこれらのうち、薬理学的ERストレス誘導と共通に発現量が減少したものは、6種類であった。 2019年度には当初の研究計画に従って、腎虚血再灌流モデルに加えて、別のモデルも用いて2018年度と同様の検討を実施し、これまでの実験結果に基づいて、上記項目(2)の分子経路の推定を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度終了時点までに、当初の計画通りに、モデル動物を用いた検証実験を実施した。その結果、薬理学的ERストレス誘導と同様に変化する遺伝子を発見した。この成果を勘案して、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進捗しているので、今後も計画通りに研究を進める。
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