Fanconi症候群は、多要因で生じる疾患であるにも関わらず、その症状は、腎、特に近位尿細管における、水、溶質、栄養素の再吸収不全に基づくものである。しかし、再吸収不全という共通の症状が生じるメカニズムについては不明のままである。本研究では、そのメカニズムとして、腎の小胞体ストレスを同定した。また、腎に小胞体ストレスが生じた結果、少なくとも2種類の遺伝子発現量の変化が症状と結びついていることも明らかにした。これらの結果は、ヒトおよび獣医臨床に重要な情報を提供するとともに、腎における新しい物質代謝の調節系を示したものと言える。
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