我々は、新規網羅的病原遺伝子同定法を開発し、V. vulnificusの好中球逃避機構に関与する40の遺伝子を同定した。中でも0055と0056は、菌体外膜へのタンパク質輸送に共同して関与すると推察された。0055は菌体内でアシルACPを合成するエノイルアシルキャリアプロテインレダクターゼ2と結合していた。この合成経路上には、0055と0056の周辺に位置する0058から 0061の4タンパク質も存在していた。すなわち、これら0055から0061までの一連のタンパク質の作用によりアシル化修飾を受ける何らかの物質が、V. vulnificusの好中球からの逃避能を担っている本体と考えられた。
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