研究課題/領域番号 |
18H02371
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
坪内 英生 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (20283822)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 相同組換え / DNA傷害修復 / 減数分裂 / RecA / 分裂酵母 |
研究実績の概要 |
相同組換え反応の中核はRecAファミリーに属する相同組換えタンパク質が担っている。真核生物の相同組換えタンパク質はRad51と呼ばれ、体細胞分裂期での相同組換えに中心的役割を担っている。一方で、多くの真核生物は減数分裂期特異的に発現するRecAホモログを持っており、それはDmc1と呼ばれている。これまで、Rad51とDmc1の精製タンパク質を使い活性を直接比較したところ、これら2つのタンパク質は単体として基本的に似たDNA結合活性およびDNA鎖交換活性を示した。一方分裂酵母でDmc1を欠損させても減数分裂はほぼ正常に起こるのに対してRad51を欠損させると減数分裂期異常により配偶子が致死となる。同様に体細胞分裂期でrad51欠失変異株はDNA傷害に対して高い感受性を示すが、そこにDmc1を強制発現させてもDNA傷害感受性のレベルは変化しないことが明らかとなった。このことはRad51とDmc1の間で決定的な機能的違いの存在することを強く示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
真核生物の相同組換えに中心的役割を果たしているRad51とDmc1に関して、生化学的に極めてよく似た活性を持つこの2つのタンパク質が細胞内では互換性がまったくないことを示した。
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今後の研究の推進方策 |
Rad51とDmc1の細胞内での挙動の違いをより詳細に明らかにする。体細胞分裂期で強制発現したDmc1がきちんと核内に移行されるのか、またその場合DNA傷害部位に局在できるのか、その際の遺伝的要求性等を細胞生物学的手法を用いて明らかにする。
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